量産職人のuomachi日記

東京から三重に移住してきた紳士革小物量産職人のブログです

量産職人周辺の職人話

荷物の着荷まで時間が出来たので久しぶりのブログです

今回は革製品の量産職人周辺の職人さん(関東)の話をしようと思います。

 

今から書くことは私が直接、見たり聞いたり(本人・人づて)したことを

自分なりに解説してるんで大分、偏ってます。

なので「へー」ぐらいで読んでいだけるとありがたいです

 

最初に皆さんなんで量産職人なったのかですが

裁断屋さん・コバ漉き屋さんは

70代以上の方は親方から誘われてはじめて5年ぐらいで独立した方が多くて

20~40代の方は親がやってたからだそうです。

 

話それますが私の知ってる70以上の職人さんは親方の元を5年で出てる方が

本当に多いです(当時は、5年やったら一人前という考えらしいです) 

何で皆さん23~25で一回独立してます 

そして誰かに誘われて雇われになる流れが主流だったみたいです

ちなみに最初の5年間で決まった給料を貰った記憶がある人は

いませんでした。食住の保障とお小遣い程度だったらしです

 

話戻します 

家業の方が多いですね 何でほぼ持家兼作業場の方が多い印象です

忙しかった時代に稼いだらしいです

実際、忙しい時はコバ漉き職人を5人抱えても回せないぐらい

仕事があったと言ってた職人さんもいらっしゃいました

 

今では一括りで※裁断屋さん・※1 コバ漉き屋さんですが

昔は専門でやってたみたいです(※革・生地 ※1 靴・鞄・袋物・紳士小物)

何で専門かと言うとその職人さんの出身が強く影響してたみたいです

お世話になってる裁断屋さんも元々は靴専門だったらしいです

(先代が靴職人⇒裁断職人らしいです)

ただ今は、なんでもやるよー 下仕事もするよー です

 

何で私は新規でお付き合いする職人さんには

もともと何の専門だったのか聞くようにしてます。

確認しないとあと後、行き違いが起こる可能性が高いからです

依頼する際はサンプル・指示書は書きますが

感覚の違いで指示の取り違えが起こりやすいのが理由です

指示書は大事ですけど手仕事なので本人の感覚が優位にたつことも多いです

それが必ずしもこちらが望むモノだとは限りませんので(これは私にも言えます)

何にせよ1回依頼して上がってきた品物を確認するのが確実です

 

職人さんのなかにはSNS等で宣伝して技術を見せてる方々もいらっしゃいますが

実際依頼したら100セットだして90セットしか組にならない(漉き失敗)

で失敗の報告も無いとかって職人さんもいるので注意が必要ですね

(通常は多くて5枚以下の職人さんがほとんどです) 

 

あとコバ漉き屋さんは組合があるみたいで意外と横の繋がりが

あるみたいで(全ての方ではないと思いますが)

「何で〇〇さんとこから仕事、引いたの?」

とか言われて嫌な汗かいたことあります。

 

基本的に横よりも※縦の繋がり強い業界だと思ってたので色々と気を付けないと

いけないなと思う出来事でした

(※縦とは工程上の作業と言う事です 裁断→コバ漉き→縫製みたいな感じです)

 

次は単価の話ですがこれは難しいですね

裁断屋さん・コバ漉き屋さんにしても安いとは思います

これに関しては30年以上前から単価は変わってないみたいですし

それで今までやってきてますし、今もその単価でやってる方が多いです

特に70以上の方は持家で年金貰ってる方が大半なので

単価アップをそこまで気にしてない方が多いです

(実際は安いと思ってるけど単価交渉を今更するのが面倒し

 現状維持で穏やかにすごしたいらしいです)

そこがベースになっているので(特に小規模のメーカー)

そこを崩すのは容易ではありません。

じゃあ上代あげる交渉すればいいじゃんって言われたことありますけど

それはそれでまた難しいのです。

 

ただ、小規模メーカーからすると現状の品物の下代考えるとこれ

以上あげたら利益が無くなるのも事実ではあるのでおいそれと

単価上げるのは難しいです。

単価を上げるより安定数・継続できる仕事が欲しいとも言われますが

それも厳しいのが実情です。

特に社員として職人抱えてパートさん雇用して生産ライン

作ってる会社さんはそこの人件費=工賃が・・・・です

しわ寄せのしわ寄せのしわ寄せです

 

そもそも、引かれて引かれて残ったのが加工賃ですから 

そしてそれをさらに分けると 残る額は・・・どこで利益だすか

 

なので先出の裁断屋さんのように自力でどうにかしてやると

裁断だけではなく下仕事(貼り合わせて本抜きまでとか)

もやるスタンスの職人さんもいらっしゃいますし兼業の方もいます

不思議なもんでやはりそういうとこに仕事は集まるようです

 

あと、メーカとの関係性ですが特定のメーカーお抱えでやられてる職人さんが

多いのも特徴だと思います。なので縦の繋がりが強いのです(先出)

ただ近年、この構図が崩れてきているのも事実です。

理由としては革の需要が減ったのが大きいです 後は職人さんの高齢化です。

年配の方はこれをきっかけに辞める方が多くなってますし中小メーカーさんも

社内対応でこなす動きも活発になってきています。

これに伴い外注に仕事を依頼しなくなるので外注職人さんはより厳しくなる

のも事実です。

(実際、職人さんに辛辣なご意見、沢山いただきました)

 

私も量産職人の端くれなので私に当てはまる事も多々あります

何はともあれ続けていくために出来る事は何でもやるが大事だと思います

 

長くなったので今回はこの辺で終わらせていただきます

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

次回は外注量産職人さんについて書きます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紳士革小物量産職人的色々な考察(偏ってるので 気を付けてください)

最近、品物の傾向を見るとコンパクト財布の需要が増えたように感じる。コンパクトと言ってもシンプルではなくミニマムだが機能的といったモノが好まれてるようです

作る方からするとコンパクトな時点で単価は安くなるので(サイズが大きい方がやはり単価は高い 単純に材料使うし多機能にしやすいからだと思う)機能性増やされるとなかなか厄介な案件になりやすい。機能性=部品が多い になりやすいのがその原因だと思う。部品が多いと単純に工程が増えるので時間を取るしクオリティーコントロールが難しくなるように感じる。

 

素材にこだわった品物(素材を謳っている)も増えたと思う、舶来革の品物は良く製作している

素材にもこだわっている(というより素材が好き)エンドユーザーが増えたのが理由では無いかと思う

なぜ増えたかは各方面での見方あると思いますし書くと長くなりそうなんで割愛します

職業柄、色んな種類(牛の中で)の革を扱います 国産・舶来・クロム・タンニン何でもです。あと、ここ5年ぐらいはオイルの多いコードバン達も相当数、製造してます

舶来革は確かに良質な革多いですが基本、オイル食ってる革が多いので量産だと結構厄介です 接着・コバ仕上げなんかがそうです 付かない・染みない・剥がれるみたいな感じです 5個とかなら何とでもなりますけど30個作るとまぁまぁしんどいです 時間かかるんですよね

でもその分、単価は良いです が材料費が高いので難しいとこだと思います あと量産こなせるほどその革になれているのかも重要だと思います。

色んな革を使ってると使った事あったり似た革の記憶を引っ張りだせるので何んとなしに何とかなります。これは会社で量産職人しているメリットだと思います

 

①コンパクト財布②舶来革の品物

この2点が私の感じる現在の主流です でも、2方ファスナー・ラウンド系は安定してる方だとは思います。やはり二つ折り、引き返し系(長札・名刺等)は減りました

 

個人的には今後はカード3枚・領収書・五千円札1枚が入れば事足りるようになると思っているので(小銭は別で持つ程度) なんだかなーと思ってますw

革については舶来革は今後も強いと思います。質が良いのはもちろんですし現在はプロ、アマ問わず入手しやすくなってますからね 

話変わりますけど個人単位で10年以上前から舶来革を問屋から直接取引されてる方は並大抵ではできなかったと思います。問屋の玄関は本当に狭かったですから

個人的には国産牛・豚の革の使用量が増えると良いなと思ってます。現状、悲惨ですから いかんともです 

聞いた話だ隣県からくる牛原皮は輸送中に腐って全部処分してるとか有名和牛だけど一部はクロムでなめして車の内装・量産家具に使われて 残りはレンダリングしてるとか豚は輸出出来ないからレンダリングするかコラーゲンにするか見たいです聞くだけでも現状は厳しいなと実感します 

大切に育てられたのは肉では無く牛・豚のはずなので全てを使いきりたいものです

 

急に話変わります 

職人事情(私の周囲)です 量産職人(特に外注でやられてる方)高齢化でこれからの5年で現在の半分以下になると思います そこでの弊害は職人が減る事もそうですが単価問題が起こります。現在の職人さんは年金もらって仕事されてる方も多く単価が安い方が多いです(持ち家率高いです もちろんそうじゃない方もいます) 昔価格で現代に突入そして継続って感じです(仕事好きだから 遊んでてもしょうがないからとか)

こういった職人さん(現在65歳以上)がいなくなり別の職人さん(工場さん)に打診した場合、単価面で折り合わない事多くなると思います。

現に職人さん(70代)引退されて、紹介で新規職人さん(50代)に打診したら単価が折り合わないと、単価が高いと・・・でもこれは高いのでは無く今までが安すぎた、だけだと思います 俺が言ったらおしまいですが単純にそう思います。

だから若い職人を育てようと中小の会社さんは人探してるとこ多かったですがいかんせん体質が古い業界ですので新人が長続きしてると言う話は余り聞きません

そういう私もろくなもんじゃないのでこの件に関しては控えときます 

もちろん素晴らしい教育システム構築されてる会社さんございますのでこれはあくまでも私の周囲の話でございます(小規模会社)

個人的にはこの問題の一番重要な部分は各会社が持っているオリジナル技術をしっかり引き継いで続けいき、次に繋げる事が出来る環境・状況にあるのかが重要だと思っています。私は運よく第一世代と言われてる職人さんに教えてもらっているので是が非でも次に伝えないといけないなと思いながら日々1人で作業してますw

冗談はさておき技術は続いてこそだと思うので個人的には真剣に考えないといけない事案だなと思ってます。

(職人さんの世代については確か1~4まであったと思います 何で見たかは忘れました でも面白いなと思ったことは覚えてたので引用させてもらいました)

 

現状はこんな感じです

色々、大変なこと多いです

読んでくださってる皆様もそれぞれ大変だと思います

 

心と体のありようが品物に反映されると私は思っています

 

満足できる品物を作れる日が来れば良いな と思っております

 

最後までありがとうございました

 

 

量産職人とは?

今回は、量産職人について私なりに説明いたします

※これは本当に人それぞれ解釈あると思います。

 あくまでも私個人の解釈ですのでご了承ください

 

量産職人とは

「支給された材料を使い依頼者より指示された製品を一定数量

             決められた期限内に製造し納品する職人」

が定義だと思っております。そもそも私が良く使用してる量産職人は製品を纏める職人を指しておりますのでそれを前提に読んで頂けると幸いです。

 

支給された材料というのはコバ漉きまで終了した部品の事を指しています。

量産職人がが裁断・コバ漉きをする事は会社、個人であれほぼ無いと思います。

この2作業に関しては専門の外注さんがいるか、社内に専門でされてる担当部署(者)を設けているかのどちらかだと思います。会社になると両方あるとこも多いです。

 

量産職人が裁断・コバ漉きをしない理由は①コスト②時間③設備の3点の理由が挙げられます。ちなみに量産職人は裁断・コバ漉きをしないのであって出来ないわけではありません。ちなみに私は裁断・コバ漉き(スライサー含む)・纏め・コンピューターミシン設定→実行・機械での押印等を業務としてやってきたので最初から最後まで量産作業は全部出来ます。(出来ますが金銭絡んでくると色々と難しくなります)

 

それでは理由を説明していきます

①コスト②時間

これは、根本が同じ理由なので纏めます

職人の工賃は時間給計算だと思います。例えば自分の時給(個人であれ雇われであれこの把握は基本です)が@2,000‐であれば1個製造工賃が@1,000-の仕事をした場合、最低でも1時間2個製造しなければ赤字です。

工賃@1,000‐は量産では良くも悪くもそこそこ色んなもの作れる単価です

でも利益を出すためには3個以上は必須です。裁断・コバ漉きも請け負った場合@1,000-に+αはあると思いますが2倍になることはまずないです。これだとやる意味あまりないです。リスクが高くなるだけです 何でかというと製造業は真面目に作業に取り組んだ時間がそのまま作業のスピード及び正確性につながります。ようは製造技術は数をこなした分しか上達しないと言う考え方です。これは賛否あると思いますがあくまで量産職人の技術上達の話です。たとえるなら100個の製品をすべて同じクオリティーで1時間5個製造であれば20時間で終わらせる その途中で問題が起きても対応し誤差内で纏める これが常日頃の条件である場合という事です。

ようは「餅は餅屋」この考え方が一番しっくり来ると思われます

③設備

スライサーが単純に高額です。ニッピにしろフォーチュナーにしろ新品だと400~450万はします(中古は当たり外れあるんで怖いです)。それとは別にランニングコストで2~3か月(使用頻度による)に一度、5~7万程度かかります。理由は刃の交換です(金額の内訳は交換刃代+機械屋(ミシン屋)の出張費)です。初期投資として三相への交換(三相無ければ)と置く場所の確保(重量に耐えられ音の問題をクリア出来る)が必要です。私の知る限り値段で躊躇するとこ多かったです。

皆さん言ってました

「欲しいし必須だけど減価償却する見込みが立たないから結局、外注さんにお願いする方が楽だしリスクが低い」と 私も個人的にもの凄く欲しいですwww

この3点が量産職人が裁断・コバ漉きをしない理由です 

要するに纏める事に集中した方が稼げるという事です

(これは裁断屋・コバ漉き屋さんにも言える事だと思います)

※機会あれば今後、裁断・コバ漉きの職人さんや作業内容についても書きます

 

次は量産職人に求められてる事ですが、私はこの3点だと思っています

①安定感

やはりこれにつきます。100個製造したら100個サンプル通り同じに上げる

事が量産職人に求められていいる事だと思います。昔、展示会で言われたことが

あります「箱入りは買わない方が良いよw 出てる現物が一番綺麗だから」と 

ふざけんなと思いましたがこれも現実です。百貨店の方が嘆いてました

「箱開けてみるまで不安なんだよな、当たりはずれあるからな」これも現実です。

このあたりが量産品はあまりよくないイメージにつながってると思います。

色んな意味で安定感本当に大事です

②スピード・コスト感

これは纏めました結局は先出のように時間給から工賃でるのでスピードは重要です

「利益が出るスピードで作業する そのための段取りを組む」です

段取り大事なので最初に工程表組みます。私の場合はガントチャートで組むことが多いです 1工程ずつ作業時間を出し全ての工程を入力しそれをもとに製造し製造後、結果をもとに更新するって感じです。これやらないとスピード・コスト感、身につかないと思います。具体的にこの作業はどれくらい時間かかるから作業的には〇〇円だなだったらあそこを変えようとか考えながらやるのが大事です。かなり理詰めな作業だと思います。 若い頃はこれがなかなか出来ません 出来ないというよりピンとこないといった方が適切かもしれません 綺麗に作ろうと思うと時間かかるし、早く上げようと思うと仕上がりが汚いと注意されるし、本当に分けわからなくなりましたwどうすればいいんだよ!みたいな感じです 今思えばただの実力(技術・知識)不足に過ぎませんがその当時はかなり悩みました 何やっても言われてましたからwww

私の解決方は「頭使って身につくまでやる」でした。身につくまでやるのが難しいw

でも、時間はかかりますけどこれしかないと思います。

③安心感

これは上記2点クリアすればおのずと依頼主様に安心感与えられます。ここまでもっていくのが大変ですが大事です。「〇〇は大丈夫だと思ってるから気にしてない」ぐらい言われたら相当だと思います。まあ、ほっとかれるのは寂しいですけどw

 安心感をあたえられるのは実力の証だと思っています

 

ざっとこんな感じですね

ここまでで少しでも量産職人の事が理解していただけたら幸いです

まだ書き足りませんがこれ以上は脱線しそうなのでしっかりカテゴライズして別の機会に書こうと思います

 

ここまで読んで頂きありがとうございました

 

嬉しことありました

現在、会社の業務とは別に個人的に企ててることがあります。

 

それは「全て三重県産の素材を使い三重県在住の職人が製品をつくる」です

 

三重県は素材の宝庫なので三重県に移住する前から考えておりました。

移住してきてから色々とお声がけし、今のところ伝統産業関係の会社さんと三重県産の木材関係の会社さんのご協力を得ることができております。

あと、行政からも色々とお知恵お借りいたしました

ですが原皮の手配がなかなかでございました。私は革屋なので革がければ始まらないと思っておりましたが・・・昨日、進展がございまして三重県産の豚皮の原皮が手に入るお約束が取れました!!!いやー打合せして、2分ぐらいで了承いただきました

今ままでの時間は何だったんだーとwww

 

いやー嬉しい 革をなめしてくれる会社さんは目ぼしがついており去年、見学にも行っていたので本当に原皮さえなんとかなればでした。これでまた色々と進んでいけると思います。

 

個人的には三重県産豚革の発信ではなく「革×伝統産業」「革×地域素材」という形で

三重県産をトータルに打ち出していきたいと思っております。これからはより背景が見えるモノづくりが大事になってくると思っております。そして個人ではなく地域でモノづくりを発信していけるよう良い素材・協力してくれる仲間を増やしていきたいです

これからどんどん革業界厳しくなっていくと思います。でも今までの技術を引き継いだ以上これからも続けることが本当に大事だと思います。長く続け、そして誰かに引き継ぐまでは終わらないよう仕事を増やす努力は色々な形でしていきたいと思います。

職人は続けて・作ってなんぼですから

職人は頭も使えるところを少しでも見せていければなーと思っておりますwww

 

原皮が手に入るのがうれしかったんでブログにしました 思いでですw

量産職人的考察⑤ミシン

今日はミシンについて量産職人視点で書いていきます

 

ミシン(機械)につて詳しく知りたい方は検索すれば情報出てくると思うので

調べて見てください。

 

ではざっくりですが革製品に使用するミシンは工業用ミシンになります。

 

①機構の種類でいくと「下送り」「上下送り」「総合送り」

 

②ミシンの種類でいくと「平台」「腕」「ポスト」「コンピュータ」「飾り」

 

③動力(動かす力)でいうと「足踏み」「クラッチモーター」「サーボモーター」

 

④メーカーでいうと(現在ないメーカーも含む)「セイコー」「ジューキ」「三菱」

「ヤクモ」「アドラー」「タキング」「ゴールデンなんたら」etc

なんかですかね。正直、ミシンは中国OEMのミシンも結構出回ってるんで良く分かりませんwちなみにタキングは台湾の会社でアドラーはドイツ、残りのは日本ですね

 

ここからは上記を踏まえて紳士小物の量産職人の独断と偏見の考察です

ミシンは正直、使う人の好みです・・・話終わっちゃいますねw 

 

下送りミシンは大体が17ミシン(te-5)指します 昔(50年ぐらい前)は大活躍ミシンですね 腕ミシンといえばこれ みたいな感じですかね 今でも好きな方は使われてます。私も使った事ありますけど足踏みにしろクラッチにしろ慣れないとミシン自体を使いこなせないです 後、単純に下送りなので送り歯がギザギザしてるんで痕が基本付きます。紳士小物は基本的にミシンのあたりはクレーム案件になるのでギザギザの送り歯の痕なんて論外です 何で基本的に使用する際は(現在使用する事は無いですが)送り歯にゴムを貼ります(昔はゴムチューブを切って貼ってたらしいです)多少送り歯痕軽減できます 僕の感覚だとこのミシンが好きだという人が使用されてるイメージです 

上下送りは鞄屋さんが多いです 基本的に上下はグリップ力が強くて太い針に対応してるものが多いです 基本的に鞄屋さんは20番手以上での縫製が多いので太番手対応のミシンを使われてます「セイコー」とか「ヤクモ」「アドラー」何かは太番手、得意なミシンだと思います。あと、懐が深いミシンも多いのが特徴じゃないでしょうか ジューキよりも私は三菱のイメージですね(あくまでも私の周りの話です)

逆に小物は総合送りを使用しているとこ多いですね 理由は単純で上下より小回りがきくからです(機構比べると良く分かります 気になる方は比較してみてください) 私のイメージだと3㎜ぐらい内側せめられるイメージです メーカーはジューキが多いですね サンプル職人なら普通釜でいけると思いますけど量産するなら倍釜必須ですね

※太番手縫えるミシンは基本的に倍釜です 

ただポストは機構上たしか普通しかなかった気がします(うろ覚え)

 

平台は色々ありますけど基本的に使用する糸の番手で使うミシン決まってきます

ちなみに職業用・家庭用ミシンがある革の工場は私は見たことがありません

 

ここまでは革職人とミシンの関係をざっくり書きました 正直これは私書かなくても調べれば分かる事なのでこの辺で辞めときます もっと上手く書かれてるサイトさん、沢山あると思うので

 

ここからは量産職人としての考察です 

大分、偏ってると思うのでここから先は気になる方だけ読まれてください 

色々と思うとこあると思いますが「へぇー」ぐらいで受け取っていただけると幸いです。

 

いきなりですけどミシンは新品もしくは5年以内に販売されたのモノを購入される

事をお勧めいたします。ミシン屋さん曰く「ミシンはよほどの事がない限り壊れない」らしいです。理由は機構が単純だから壊れづらく直しやすいので部品が現存する限り使い続けられるらしいです(直しやすはあくまでも他の工作機械に比べてという事です) そういう理由もあり中古ミシン(20~30年前の奴)めっちゃ出てくるんです そしてオークションサイト等から簡単に入手できるんです。しかもぱっと見、安いんですけどここで考えてほしいんですよ、ミシンは壊れづらいだけでミシン自体は年月とともに劣化(金属ですから)するんです 例えば自分が30歳の時に30年前のミシンを購入したら自分が60歳の時、ミシンは60年ものです 素材の劣化相当進んでます 下手したらその時、部品なくなってる可能性もあります 

2000年製造と聞いたら新しく感じるかもしれませんがもう20年落ちですから・・

なんかこの業界、「古い機械は良い」みたいな幻想のある方多い気がします・・・

確かに名機と言われてるものは中にはあると思いますが機械技術は常に進歩してるので新しいミシンの方が性能良いはずなんです。何より良い製品つくるんだったら性能が高い機械を使いこなした方が良いと思います 使いこなすには慣れが必要です 慣れるためには長く(最初から)使うほうが良いです。何で新品(もしくは比較的新しいモノ)を購入し慣れていくのが効率的だと思っています。

 

以前、熟練の鞄職人さんが言ってました

自分が若い時は17ミシンしかなかった。だからこれでずっとやってきた けど今は良い機械が一杯ある これを最初から使ってて使いこなせればもっと効率よく良い仕事ができたと思う 今の時代の奴らは良い機械が多くて良いなと・・・ぼやいてました

 

まぁ、私からしたら昔の職人さんは作ったら売れる時代の方々ですからそれだけ大量に製品の製造出来て良いなと思いましたが・・・w 

まぁ、お互い無いものねだりですね 

 

すいません 脱線しました

 

あと、ミシンはミシン屋さんから必ず購入した方が良いです。何か大事が起こった際に信頼置けるミシン屋が居るのと居ないとじゃ全然違いますから、ミシン屋さんは探したほうが良いです。オークションとかで買ったミシンも見てくれるミシン屋さんもいると思いますが私の知ってるミシン屋さんは全員が、依頼されたら見るけど他の職人が調整してるミシンは余り触りたくないから少し割高になるらしいです(私の知る限り)

(でも、単純に地方だと難しいですね ミシン屋さん単純にいませんもんねw

 私の地方も車で2時間くらいのところにお1人だけです 何で地方の方はある程度、自分で治せるようにしたほうがいいです 構造は本当に難しくないので動画(写真)とりながらばらせば何となく構造分かるようになります。構造ある程度理解すればミシン屋さんとの電話のやり取りで何とかなります。ミシン使えなくなったら仕事止まりますからね 死活問題です! 自分で対処できるようにしときましょう 前もって構造等は調べようと思えばいくらでも調べられます やるかやらないかだけだと思います)

 

ミシンは高い買い物ですがミシンメインでの製作を考えている方は50万ぐらいはだす気持ちで探した方がいいです。

ちなみに私の使用してるミシンは90万です 10年以上使用し恐らく10000個以上製品縫製してきましたが今だに絶好調です メンテは自分で定期的にしてます ここ10年ミシン屋さんのお世話にはなってません 半年1回は、ばらせるところは全ばらししてます。最初、色んなとこばらして構造覚えました 何回も言いますが私は必須だと思います。

 

話戻しますが、50万で購入した場合、高いように思えますが単純に考えて30年使えば年2万弱です 月にすれば2千弱です 日(20日)にすれば100円です どうでしょうか?

とはいえ初期投資の50万は大きいです。なのでネット・snsで情報収集をし実際、試せるのであれば試し、必要なオプション(モーター・定規・押さえ等)を検討してそれをミシン屋(探しておく)に伝え相談してから購入することをお勧めします 

ただ、ミシン屋さんもいろんな方いらっしゃいますからムズイですね ミシン屋さんの評判はネットにはあまりでないですからね・・・まぁ、ある程度知識あれば足元見られないと思います ミシン屋さんも何も知らない素人からとる方が楽ですからね 現に専門卒とかでなまじっか変な自信持ってるのがカモだって言ってました。高いの買おうが古いの買おうが結局使いこなせないで売りに来る人多いらしいです。

そういう事を言ってるミシン屋さんもどうかと思いますが・・・気をつけましょう

 

後は、いい仕事(製品づくり)されてる方に紹介してもらうのが良いですね 

良い仕事する人の周りには大概、良い職人さんいますからねw

 

ただ、ミシン屋さん(革)減ってます。高齢化進んでますから

(跡継ぎがいないと)

なんで何回もいいますが、ある程度自分で何とかする、これからは必須だと思います

 

皆さんも良いミシンと出会えると良いですね ミシンは相棒ですから

 

縫えればいいでは仕事はできないと思います。ミシンを買ってからが本当の勝負ですから そこからまた色々、際限のないミシンとの格闘始まりますからw

ミシンさえあれば何とかなるって言う職人さんもいらっしゃいますからね それだけミシンは大事ですし武器になります その代わり使いこなすが絶対条件です。

仕事にするのであればミシンを使い潰すくらいの気持ちでやった方が良いです

ミシンはやった時間、数量がそのまま技術になる作業だと思います。センスは関係ないです。やれば誰でも上手くなれると思います。何で皆さんとにかく縫いましょう!

 

最後まで読んで頂きありがとうございました

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです

 

 

 

量産職人的考察④ホットメルト

今日は「ホットメルト糊付け機」です

(個人的な考察です 私の経験上の話です ご理解ください)

 

ホットメルトご存じない方は「ホットメルト 革」で検索されれば

出てくると思います。

「端的に言うと固形ノリを温めて液状化して溶けたノリをローラーでつける 

 しかも片面接着が可能です」的な感じです

いや、導入された時はテンション爆上がりでした。説明聞いてると良いことばかりでしたよ「目トビしない(しづらい)」「コスト面で考えても両面テープより安価」「※操作しやすい(前型より軽くなった)」「ローラーのアタッチメント(塗幅)が豊富」etc

導入されてから事あるごとに生産工程に組み込んでいきました。そもそも、片面接着なので両面接着のノリよりも時間短縮出来ますし、両面テープと違い剥離紙剥さなくていいので時間短縮、しかも目トビの軽減も見込めるので直しのリスクも減らせると・・・これ、前提で使いまくりました。

 

現在はというと「製品・場所によって使用する場合もある」です

 

早速ですが理由です

①塗るのに多少なりとも技術・慣れがいる

糊付け機の形状を見たことある方は分かると思うんですがあのローラーで100枚全部、同じところを塗るのは結構きついです しかもはみ出したりすると取れません それ気にしながらですし ローラを品物に当てる角度等で出てくるノリの量が変わってきます 慣れれば簡単は決して誰でも使えるではないと思っています

 

②軽いといっても長時間使用するには重い

たしかに製品は軽いです プラスチックですから(前の型は金属だったと思います)

でも量産は100枚以上塗りますから時間かかります しかも手首を決まった形に固定しながら(塗りやすい角度)使用するうえにノリがはみ出ないか常に気にする必要があります これ踏まえると なんだかんだ言って便利だなより「重いな」になります

そしたら、重いから疲れるになり嫌な作業に変換されます 

 

③匂いがきつい

熱で溶かしながら使用するので匂いがして当然なんですけど作業中は意外と顔が機械に近づいていくんです 理由は「はみ出ないように塗らないと」です そしたら顔が近づいちゃって知らない間に匂い吸い込んじゃってて結果、気持ち悪くなるんです なんで、ちょいちょい休みながら作業してもらうようにしました

 

④塗った後、かさばる

ゴムノリと一緒で塗った後、すぐは油紙等を上に載せないと重ねられません

ゴムノリは革によりますけどノリが多少乾けば直で重ねられます(省スペースでおけるようになります)両面テープも剥離紙ついたままなら大丈夫です。

ただホットメルトはいつまでもネチョネチョしてるので基本的には無理です 数やるとかさばります

 

⑤接着力が・・・

着けた直後はついてる感じします(剥そうと思えば剥せるレベルです 両面テープと同じ)あと、私の感覚ですけど貼って時間置いておくと剥がれてくる(浮いてくる)モノが多かったように感じました。

 

上記理由からわたしが導きだした答えは

取り回しづらいわりにはかさばるしそこまで接着良くないな」でした

なので私の生産工程からホットメルトの出番は減りました

※目トビはたしかに両面テープよりはしづらいです 感覚的にです 

 

何かデメリットばかり書いてますけどこれはあくまでも製造背景(工程)・製造している製品に大分、左右されていると思います。単純にうちには合わなかったという事だと私は認識しています。

例えば2~3人で作業しており、ホットメルト塗ったらすぐ横で貼り込みしてすぐ縫製するみたいな流れの作業場なら活躍する機会が増えるのではと思います

要するに流れ作業(シングルタスク)に組み込める環境って感じですかね 

うちは色んな作業を同時進行してそれをまとめてまた同時進行してみたいなマルチタスクで作業を進める製造背景なのでマッチしなかったと思います マルチタスクで作業してると部材の取り回しのしやすさって重要なんです(個人的にですが)

 

ホットメルトはノリでも両面テープでもない接着道具だという認識が必要だと思います

個人的には使えない道具だなという印象はありません 「使い方」 だと思います

私の締めは大体が「使い方」だ「適材適所」とかですねw

何にでもメリット・デメリットあると思います 大事なのはそれを踏まえたうえで自分でどう使うか考えて実行することだと思います。

(情報は情報にすぎませんから経験に勝るものなし だと思います)

 

ただ、道具として気になったのは結構ハードに使ってるとホットメルトが色んなとこから漏れ出てくるところですね 本体がプラスチックなので強度が強いわけではないと思うのですが いかがなもんかなと 6万ぐらいしますからね

ちなみに値段ですが 本体 約6万 アタッチメント約2万 ノリ約3千 ぐらいだったと思います(気になる方はちゃんと調べた方がいいですよ)

 

設備投資、大事です 安い買い物はないと思ってます

 

私は、ゴムノリの糊付け機(前々回、記載したの)購入ました

絶対必要だろ、今までも大活躍だったし・・・

でも現在はあまり出番ありません

現在は一人なので基本シングルタスクで製造してます

何で両面接着のゴムノリより片面接着のサイビの方が効率良いんです 

手離れが良いんです かさばらないんです etc

 

糊付け機、活躍できるよう頑張ります

 

長文、乱文 最後までありがとうございました

皆様も良いモノづくりをされてください

 

 

 

量産職人的考察③両面テープ

今回は両面テープです

 

 

ノリに次いで使用頻度多いです

メーカーで言うと福岡クロスの「マルコポーロ」使ってるとこが多いと思います

2㎜~150㎜まで使ってます 100㎜以上は基本在庫無いですね

 

両面テープが万能だったら全部両面テープで済ませたいですねw

だって貼るだけですから ちょっと慣れれば誰でも主力ですよ 最高ですよ!

でも、無理なんです 単純に付きが弱いです 1、2個ならいいですけど100個やれば剥がれてきますね(場所によって)

後、縫製個所に両面かぶってると目トビ地獄です

目トビする瞬間、糸掛けの糸の動きがおかしくなって「ヒュン」て音するんですよ・・

両面テープはそれ起こすんですよ 特に革を薄く漉いていて裏に生地がついている状況が最悪ですね 例でいえば有革とツナギ生地の縫製ですね

そのうえ針がベタベタと汚れます 高速で両面テープの上、縫製したらそりゃ針が熱持つんでテープ持ってかれますよね しょうがありません シリコンボックスも対して効果ありません なんで全部両面テープは無理だと思います(私はそう思います)

後、大事なのは両面テープ使っているところは「両面テープでついてるんだ」と意識して縫製することですね 理由は単純です 確実に動きます 両面テープは硬化しませんから動くんです そんなもんなんです 用途は仮止めなんです!

でも両面テープは絶対必要何で情報集めるんです。

良い両面テープ情報教えて貰ったら資材屋さんに聞くんです

「〇〇ありますか?」とそしたら「在庫してないから取り寄せです」

って言われます そういう事なんです

需要がないから在庫してないんですよ それが答えですよ 

一度、とりあえずお願いしますで取り寄せました 

結果、少し割高でマルコより厚手で肝心のつきはマルコとの差が分からないぐらいでした 正直、劇的にどうは無かったですね・・・

こんなこともあり今はマルコ一本です ちなみにマルコも普通と強力の2種類あります

私が使用してるのは強力です というかマルコ両面で発注すると強力が納品されますw

結局、大事なのは両面テープが使える場所をしっかり考えて使うという事です

性能も大事ですけど正直そこに大きな差は無いように思います。なので適材適所で使用する意識が大事です これはノリの使い分けにも言えると思います。

 

補足ですが意外と多いのが検品してたら両面テープはみ出してる個所があるですね

1個はみ出してたら大概、残りももれなくはみ出てますね。理由は、結果的にはみ出る場所に両面テープを貼る基準で作業してるからです 量産は一遍にやりますからね 後は多人数で作業してその中でやらかした人がいる場合ですね 何にせよ責任者がしっかり確認することが大事です。両面テープは取りづらいので気を付けましょう

 

後、先日書いたゴムノリについての補足です

ゴムノリ・ボンドは溶剤(シンナー・トルエン)がほとんどの製品に入ってます

体には良くありません革製品製造が産業の地区では役所が溶剤使ってる業種の人向けに検診してるぐらいです。使用する際は換気をしっかりし気分が悪くなるようなら使わない方が良いです。今は水溶性のノリ(サイビでは無い ゴムノリと同じ用途のノリ)もありますからそれを試されるのが良いと思います 現に欧州のブランドさんは水溶性のノリに切り替えて来てるみたいですし国内でもランドセル関係の会社さんは使用するノリに溶剤が入ってないものを使用する会社さんが増えているようです。これも時代の流れですね

 

モノ作りは身体と気持ちが資本ですから皆さま体調管理には気を付けましょう