量産職人のuomachi日記

東京から三重に移住してきた紳士革小物量産職人のブログです

量産職人とは?

今回は、量産職人について私なりに説明いたします

※これは本当に人それぞれ解釈あると思います。

 あくまでも私個人の解釈ですのでご了承ください

 

量産職人とは

「支給された材料を使い依頼者より指示された製品を一定数量

             決められた期限内に製造し納品する職人」

が定義だと思っております。そもそも私が良く使用してる量産職人は製品を纏める職人を指しておりますのでそれを前提に読んで頂けると幸いです。

 

支給された材料というのはコバ漉きまで終了した部品の事を指しています。

量産職人がが裁断・コバ漉きをする事は会社、個人であれほぼ無いと思います。

この2作業に関しては専門の外注さんがいるか、社内に専門でされてる担当部署(者)を設けているかのどちらかだと思います。会社になると両方あるとこも多いです。

 

量産職人が裁断・コバ漉きをしない理由は①コスト②時間③設備の3点の理由が挙げられます。ちなみに量産職人は裁断・コバ漉きをしないのであって出来ないわけではありません。ちなみに私は裁断・コバ漉き(スライサー含む)・纏め・コンピューターミシン設定→実行・機械での押印等を業務としてやってきたので最初から最後まで量産作業は全部出来ます。(出来ますが金銭絡んでくると色々と難しくなります)

 

それでは理由を説明していきます

①コスト②時間

これは、根本が同じ理由なので纏めます

職人の工賃は時間給計算だと思います。例えば自分の時給(個人であれ雇われであれこの把握は基本です)が@2,000‐であれば1個製造工賃が@1,000-の仕事をした場合、最低でも1時間2個製造しなければ赤字です。

工賃@1,000‐は量産では良くも悪くもそこそこ色んなもの作れる単価です

でも利益を出すためには3個以上は必須です。裁断・コバ漉きも請け負った場合@1,000-に+αはあると思いますが2倍になることはまずないです。これだとやる意味あまりないです。リスクが高くなるだけです 何でかというと製造業は真面目に作業に取り組んだ時間がそのまま作業のスピード及び正確性につながります。ようは製造技術は数をこなした分しか上達しないと言う考え方です。これは賛否あると思いますがあくまで量産職人の技術上達の話です。たとえるなら100個の製品をすべて同じクオリティーで1時間5個製造であれば20時間で終わらせる その途中で問題が起きても対応し誤差内で纏める これが常日頃の条件である場合という事です。

ようは「餅は餅屋」この考え方が一番しっくり来ると思われます

③設備

スライサーが単純に高額です。ニッピにしろフォーチュナーにしろ新品だと400~450万はします(中古は当たり外れあるんで怖いです)。それとは別にランニングコストで2~3か月(使用頻度による)に一度、5~7万程度かかります。理由は刃の交換です(金額の内訳は交換刃代+機械屋(ミシン屋)の出張費)です。初期投資として三相への交換(三相無ければ)と置く場所の確保(重量に耐えられ音の問題をクリア出来る)が必要です。私の知る限り値段で躊躇するとこ多かったです。

皆さん言ってました

「欲しいし必須だけど減価償却する見込みが立たないから結局、外注さんにお願いする方が楽だしリスクが低い」と 私も個人的にもの凄く欲しいですwww

この3点が量産職人が裁断・コバ漉きをしない理由です 

要するに纏める事に集中した方が稼げるという事です

(これは裁断屋・コバ漉き屋さんにも言える事だと思います)

※機会あれば今後、裁断・コバ漉きの職人さんや作業内容についても書きます

 

次は量産職人に求められてる事ですが、私はこの3点だと思っています

①安定感

やはりこれにつきます。100個製造したら100個サンプル通り同じに上げる

事が量産職人に求められていいる事だと思います。昔、展示会で言われたことが

あります「箱入りは買わない方が良いよw 出てる現物が一番綺麗だから」と 

ふざけんなと思いましたがこれも現実です。百貨店の方が嘆いてました

「箱開けてみるまで不安なんだよな、当たりはずれあるからな」これも現実です。

このあたりが量産品はあまりよくないイメージにつながってると思います。

色んな意味で安定感本当に大事です

②スピード・コスト感

これは纏めました結局は先出のように時間給から工賃でるのでスピードは重要です

「利益が出るスピードで作業する そのための段取りを組む」です

段取り大事なので最初に工程表組みます。私の場合はガントチャートで組むことが多いです 1工程ずつ作業時間を出し全ての工程を入力しそれをもとに製造し製造後、結果をもとに更新するって感じです。これやらないとスピード・コスト感、身につかないと思います。具体的にこの作業はどれくらい時間かかるから作業的には〇〇円だなだったらあそこを変えようとか考えながらやるのが大事です。かなり理詰めな作業だと思います。 若い頃はこれがなかなか出来ません 出来ないというよりピンとこないといった方が適切かもしれません 綺麗に作ろうと思うと時間かかるし、早く上げようと思うと仕上がりが汚いと注意されるし、本当に分けわからなくなりましたwどうすればいいんだよ!みたいな感じです 今思えばただの実力(技術・知識)不足に過ぎませんがその当時はかなり悩みました 何やっても言われてましたからwww

私の解決方は「頭使って身につくまでやる」でした。身につくまでやるのが難しいw

でも、時間はかかりますけどこれしかないと思います。

③安心感

これは上記2点クリアすればおのずと依頼主様に安心感与えられます。ここまでもっていくのが大変ですが大事です。「〇〇は大丈夫だと思ってるから気にしてない」ぐらい言われたら相当だと思います。まあ、ほっとかれるのは寂しいですけどw

 安心感をあたえられるのは実力の証だと思っています

 

ざっとこんな感じですね

ここまでで少しでも量産職人の事が理解していただけたら幸いです

まだ書き足りませんがこれ以上は脱線しそうなのでしっかりカテゴライズして別の機会に書こうと思います

 

ここまで読んで頂きありがとうございました