量産職人のuomachi日記

東京から三重に移住してきた紳士革小物量産職人のブログです

紳士革小物量産職人的色々な考察(偏ってるので 気を付けてください)

最近、品物の傾向を見るとコンパクト財布の需要が増えたように感じる。コンパクトと言ってもシンプルではなくミニマムだが機能的といったモノが好まれてるようです

作る方からするとコンパクトな時点で単価は安くなるので(サイズが大きい方がやはり単価は高い 単純に材料使うし多機能にしやすいからだと思う)機能性増やされるとなかなか厄介な案件になりやすい。機能性=部品が多い になりやすいのがその原因だと思う。部品が多いと単純に工程が増えるので時間を取るしクオリティーコントロールが難しくなるように感じる。

 

素材にこだわった品物(素材を謳っている)も増えたと思う、舶来革の品物は良く製作している

素材にもこだわっている(というより素材が好き)エンドユーザーが増えたのが理由では無いかと思う

なぜ増えたかは各方面での見方あると思いますし書くと長くなりそうなんで割愛します

職業柄、色んな種類(牛の中で)の革を扱います 国産・舶来・クロム・タンニン何でもです。あと、ここ5年ぐらいはオイルの多いコードバン達も相当数、製造してます

舶来革は確かに良質な革多いですが基本、オイル食ってる革が多いので量産だと結構厄介です 接着・コバ仕上げなんかがそうです 付かない・染みない・剥がれるみたいな感じです 5個とかなら何とでもなりますけど30個作るとまぁまぁしんどいです 時間かかるんですよね

でもその分、単価は良いです が材料費が高いので難しいとこだと思います あと量産こなせるほどその革になれているのかも重要だと思います。

色んな革を使ってると使った事あったり似た革の記憶を引っ張りだせるので何んとなしに何とかなります。これは会社で量産職人しているメリットだと思います

 

①コンパクト財布②舶来革の品物

この2点が私の感じる現在の主流です でも、2方ファスナー・ラウンド系は安定してる方だとは思います。やはり二つ折り、引き返し系(長札・名刺等)は減りました

 

個人的には今後はカード3枚・領収書・五千円札1枚が入れば事足りるようになると思っているので(小銭は別で持つ程度) なんだかなーと思ってますw

革については舶来革は今後も強いと思います。質が良いのはもちろんですし現在はプロ、アマ問わず入手しやすくなってますからね 

話変わりますけど個人単位で10年以上前から舶来革を問屋から直接取引されてる方は並大抵ではできなかったと思います。問屋の玄関は本当に狭かったですから

個人的には国産牛・豚の革の使用量が増えると良いなと思ってます。現状、悲惨ですから いかんともです 

聞いた話だ隣県からくる牛原皮は輸送中に腐って全部処分してるとか有名和牛だけど一部はクロムでなめして車の内装・量産家具に使われて 残りはレンダリングしてるとか豚は輸出出来ないからレンダリングするかコラーゲンにするか見たいです聞くだけでも現状は厳しいなと実感します 

大切に育てられたのは肉では無く牛・豚のはずなので全てを使いきりたいものです

 

急に話変わります 

職人事情(私の周囲)です 量産職人(特に外注でやられてる方)高齢化でこれからの5年で現在の半分以下になると思います そこでの弊害は職人が減る事もそうですが単価問題が起こります。現在の職人さんは年金もらって仕事されてる方も多く単価が安い方が多いです(持ち家率高いです もちろんそうじゃない方もいます) 昔価格で現代に突入そして継続って感じです(仕事好きだから 遊んでてもしょうがないからとか)

こういった職人さん(現在65歳以上)がいなくなり別の職人さん(工場さん)に打診した場合、単価面で折り合わない事多くなると思います。

現に職人さん(70代)引退されて、紹介で新規職人さん(50代)に打診したら単価が折り合わないと、単価が高いと・・・でもこれは高いのでは無く今までが安すぎた、だけだと思います 俺が言ったらおしまいですが単純にそう思います。

だから若い職人を育てようと中小の会社さんは人探してるとこ多かったですがいかんせん体質が古い業界ですので新人が長続きしてると言う話は余り聞きません

そういう私もろくなもんじゃないのでこの件に関しては控えときます 

もちろん素晴らしい教育システム構築されてる会社さんございますのでこれはあくまでも私の周囲の話でございます(小規模会社)

個人的にはこの問題の一番重要な部分は各会社が持っているオリジナル技術をしっかり引き継いで続けいき、次に繋げる事が出来る環境・状況にあるのかが重要だと思っています。私は運よく第一世代と言われてる職人さんに教えてもらっているので是が非でも次に伝えないといけないなと思いながら日々1人で作業してますw

冗談はさておき技術は続いてこそだと思うので個人的には真剣に考えないといけない事案だなと思ってます。

(職人さんの世代については確か1~4まであったと思います 何で見たかは忘れました でも面白いなと思ったことは覚えてたので引用させてもらいました)

 

現状はこんな感じです

色々、大変なこと多いです

読んでくださってる皆様もそれぞれ大変だと思います

 

心と体のありようが品物に反映されると私は思っています

 

満足できる品物を作れる日が来れば良いな と思っております

 

最後までありがとうございました