量産職人的考察②ゴムノリ等々
今日はゴムノリ・ボンドです(ゴムノリメインになると思います)
※これから書くのは個人の考えなのでご了承ください 乱文です
簡単に説明するとゴムノリもボンドも両面に塗って乾かしてから圧着です
ちなみにゴムノリは1日ぐらい放置しても付きますけどボンドはつきません
何でかっていうとボンド自体がカチコチに固まるからです 固まったらつきません
何で固まる前につけましょう!
ゴムノリは刷毛・ブラシで塗る場合とヘラ(ジラコ・デルリ)で塗る場合あると思います。私はステンレスベラ使ってます(踏襲しました)
刷毛・ブラシは広範囲を塗るとき使います(靴・鞄屋さんが多い印象)
ちなみに小物屋は使いません(私の知る限り)
ゴムノリは綺麗に均等に塗らないとノリ溜まりだったりノリの塗り跡がでます。
小物だとこれが厄介なんです。薄くベタ漉きしてる部品を貼る際に、これあると表に当たり出て不良になります
(最初のころ先輩職人に「ノリ痕出るぞ、綺麗に」と言われ続けましたw)
貼った後 修正はできません ゴムノリは固まったらゴムになりますからw
どうもできません。剥がす方法はありますけどリスクの方が高いです
ちなみに剥がす際は ニッティングシャワー 使ったりします
なのでベタノリする際はノリ溜まりやノリ痕に気を付けましょう
(靴・鞄はこういったあたりが出ずらい状況(部品が厚い・見えなくなる場所・ノリを強い力で塗れる等)が多いので成立してると思われます)
ジラコ・デルリヘラは細かいところ、ヘリ返しに使います
前出のサイビと似た感じですね
じゃあ、ゴムノリの一番の強みは何かというとこれは私、個人の意見ですが
「糊付け機」を使えることですね これにつきます何人かで量産仕事するんだったら必須だと思います ゴムノリは1日ぐらい平気で置いとけるので置き場所さえあればじゃんじゃんつけちゃいます(BBQ用のデカめの網あると便利です)
束入れの表判サイズだったら10秒ぐらいでベタつけられます。ヘリ返しのノリも均等幅で均一量で塗れます
量産視点で見ると作業を纏められるので段取り組みやすいんです 機械なのでしっかり設定して基準さえ分かれば誰でも関係なくノリ付けできますから、誰でも出来るこれが量産ではデカいです。人を選ぶ作業が多いと円滑に回らなくなります。
ただ危ないところあります 基準が分かってなかったりすると機械なんで間違って全部やっちゃいましたが起こりえます これは怖い 何で確認は必須ですね
糊付け機は結構な量のノリを使います。ノリの消費量が問題というよりも糊付け機に入っているノリが問題です。日々、機械を使うんなら大した問題じゃないですけど使う頻度が少ないと使い終わったらいちいちノリを出してあげないといけないんです。これしないとノリ固まって動かなくなるしノリの質が落ちます。固まったノリはシンナー入れれば緩くはなるけどノリとしての質は落ちてるから良いことありません
何で購入される際はよく考えた方がいいです(頻度とか用途とか) ちなみに糊付け機はローラのやつと上に押さえ(コバ漉き機の押さえみたいなの)付くやつありますけどコバ漉きの押さえと互換性は無いのでご注意をwローラーのやつもサイズ3種類ぐらいあります。値段はミシン屋さんで中古で8~11万って感じです ヤフオクなんかたまに出てますね 3~4万代が多い印象です 後、卓上糊付け機とかもあります
(※糊付け機を使いこなすには設定・慣れ・治具等、経験・知識が必要です
メリット・デメリットあります まぁ、でも数やれば大丈夫です )
ゴムノリなんですけど正直、どのノリが良いですよとかお勧めですよとかは無いですね
色んなノリ使ってきましたけど結局は一番使い慣れたノリが一番使いやすいです
長く使ってきたのでノリの性質だったりポイントが分かってるからだと思います
何で皆さんも良い相棒(ノリ)を見つけてください この仕事には必須ですからねw
初めて買われる方はお店の人に聞いたほうが良いです
どういう革でどういうアイテムをどういう風に作りたいと伝えれば一番適したノリを
教えてくれると思います(知識のある、いい人なら)
後、使ってる人が多いノリが良いですね
需要が多いモノは基本無くなる可能性低いので
最後に僕から言える事はこれです
「困ったときは888」 です
最後までお付き合いいただきありがとうございました
次は ホットメルト 書こうかな・・・
量産職人的考察①ノリ → サイビ
私的なノリの考察です
今日はサイビ600について私なりの考察です
簡単に言うとサイビは片面でつく接着剤ですね 水分飛んじゃえば剥がれません
難点は扱い慣れないと使うのが難しいのと、ちゃんとついてたら絶対剥がれない事です(これは良くも悪くもですね)
ちなみに小物屋さんはサイビが主流です
理由は単純で紳士小物はヘリ返しが多いので塗ってすぐヘリ返したほうが
作業効率いいですしカード段の頭とかはノーミシンが多いですからね
(剥がれちゃまずい)
あと刻み(菊寄せ)する際もサイビみたいに半乾きじゃないと刻み念で
革寄せれないですから 必然的にサイビですね
サイビは竹べらかジラコヘラかデルリヘラで塗る人多いです
私はジラコヘラです 実際は竹べらの方が多いと思います。
サイビは慣れないと扱いが難しいです 何が難しいかというと
①塗る量 ②貼る(ヘリ返す)タイミング この2点ですね
私も慣れない頃は良くはみ出しましたし上手く使えてませんでした
これは関してはアドバイスはありません 練習(慣れ)あるのみです
参考までにですが私は雑誌とか厚めの紙に塗って練習しました
(薄い紙だとぐちょぐちょになってしまうんで)
こればっかしは人によって塗る量、塗る速さは違うので自分で正解を見つけるのが
一番の近道だと思います サイビはタイミングが大事ですから!
ただサイビは瞬間的につくわけでは無いので跳ね返る力に弱いように思います ガラス(顔料系)みたいに固い革をヘリ返すとヘリが起き上がってくることがあります 私はこれが結構ストレスです。革によってはボンド系に変える時もあります。
組み立てに使う場合はゴムノリ・ボンド系に比べるとノリ幅が必要だと思います
前者が3mmなら5mmは欲しいです
後、ガラス(顔料系)革の銀とは相性悪いです(染み込まないんで)同じ理由で
※ボンテ系も付かないです ※バイリン系は逆で染み込みすぎて付かないです
この辺はサイビではなくゴムノリ系統が無難だと思います。(※芯材)
後、サイビがビニ板につくと剥がしづらいので私はビニ板に養生テープ貼ってます
こうすると剥がしやすいです 後は、ビニ板についたらこまめに拭くことですね
拭くのを一連の作業に組み込んでも良いと思います
というか、そんぐらいの気持ちで使ったほうがいいと思います
サイビの使い方は職人さんそれぞれです ゆるいのが好きな人もいれば固いのが好きな人もいます 私は作業によって固さかえます(水の量を変える)600は少し硬めなので基本的に水入れて調整しないと使いづらいと思います。水は本当に少しづつ入れないと思ってるより緩くなるのでご注意ください
最後にサイビは使い慣れてくると減るのがものすごく早くなりますw
乱文、最後まで読んで頂きありがとうございました
次は、ゴムノリ・ボンド系書いてみます
※この考察はあくまでも私の主観なので様々なご意見ある思いますがあくまでも一例としてお考えいただければ幸いでございます
革職人は多種多様
革職人は本当に多種多様です
私が働いていた東京都東部(荒川・台東・墨田・足立)は本当に多くの革職人さんがいらっしゃいました。ざっと私がお会いしたことのある職人さん書き出します
(量産職人さんです)
①原皮屋さん(僕お会いしたのは豚皮の原皮屋さんです 9割輸出してるそうです
②タンナーさん(現在は廃業されてますけど荒川区に渋革のタンナーさんあったんです
③染色屋さん(現在は廃業されてます タンニン革専門の染色屋さんでした
④型押し屋さん(半裁に型押ししてくれます 型がデカい
⑤ベタ漉き屋さん(バンドナイフの構造面白かった ピアノの鍵盤みたい
⑥裁断屋(革)さん(クリッカー4台あったな
⑦裁断屋(生地)さん(抜型が汚いと叱られました
⑧皮漉き屋さん(革じゃなく皮表記の会社さん多かったな
⑨押印屋さん(箔押しもやられてますね後、刻印作成の仲介とかもやられてました
⑩紳士革小物屋(私がやらせてもらってる仕事です
⑪紳士鞄屋さん
(トランク・アタッシュケースですね 現在進行形でやってる方は存じないですね
⑫袋物屋さん
(ハンドバッグですね 一緒に仕事させてもらってました
ただハンドバッグも牛とエキゾチックレザーは職人さん違いますね
⑬靴屋さん(色んな職人さんいました 個性強めでした 靴は工程ごとに職人さんいまね
⑭ベルト屋さん(ベルトの帯を抜型で抜くのを初めて見た 曲がったやつ
⑮部品屋さん
(部品に飾り縫いとか部品単品をつくられてました コンピューターミシンでした
先ほども書かせてもらいましたがここに書かせてもらったのは
量産ベースでやられてる職人さんです。
皆さん縁の下の力持ち精神で頑張られてます(ました)
でも正直、高齢の方が多いです(65歳以上)
後、5年以内に量産職人さん大分減ると思います。
そんな時にしっかり活躍できるよう量産職人として
日々研鑽を積んで行きたいと思います