量産職人のuomachi日記

東京から三重に移住してきた紳士革小物量産職人のブログです

量産職人的考察④ホットメルト

今日は「ホットメルト糊付け機」です

(個人的な考察です 私の経験上の話です ご理解ください)

 

ホットメルトご存じない方は「ホットメルト 革」で検索されれば

出てくると思います。

「端的に言うと固形ノリを温めて液状化して溶けたノリをローラーでつける 

 しかも片面接着が可能です」的な感じです

いや、導入された時はテンション爆上がりでした。説明聞いてると良いことばかりでしたよ「目トビしない(しづらい)」「コスト面で考えても両面テープより安価」「※操作しやすい(前型より軽くなった)」「ローラーのアタッチメント(塗幅)が豊富」etc

導入されてから事あるごとに生産工程に組み込んでいきました。そもそも、片面接着なので両面接着のノリよりも時間短縮出来ますし、両面テープと違い剥離紙剥さなくていいので時間短縮、しかも目トビの軽減も見込めるので直しのリスクも減らせると・・・これ、前提で使いまくりました。

 

現在はというと「製品・場所によって使用する場合もある」です

 

早速ですが理由です

①塗るのに多少なりとも技術・慣れがいる

糊付け機の形状を見たことある方は分かると思うんですがあのローラーで100枚全部、同じところを塗るのは結構きついです しかもはみ出したりすると取れません それ気にしながらですし ローラを品物に当てる角度等で出てくるノリの量が変わってきます 慣れれば簡単は決して誰でも使えるではないと思っています

 

②軽いといっても長時間使用するには重い

たしかに製品は軽いです プラスチックですから(前の型は金属だったと思います)

でも量産は100枚以上塗りますから時間かかります しかも手首を決まった形に固定しながら(塗りやすい角度)使用するうえにノリがはみ出ないか常に気にする必要があります これ踏まえると なんだかんだ言って便利だなより「重いな」になります

そしたら、重いから疲れるになり嫌な作業に変換されます 

 

③匂いがきつい

熱で溶かしながら使用するので匂いがして当然なんですけど作業中は意外と顔が機械に近づいていくんです 理由は「はみ出ないように塗らないと」です そしたら顔が近づいちゃって知らない間に匂い吸い込んじゃってて結果、気持ち悪くなるんです なんで、ちょいちょい休みながら作業してもらうようにしました

 

④塗った後、かさばる

ゴムノリと一緒で塗った後、すぐは油紙等を上に載せないと重ねられません

ゴムノリは革によりますけどノリが多少乾けば直で重ねられます(省スペースでおけるようになります)両面テープも剥離紙ついたままなら大丈夫です。

ただホットメルトはいつまでもネチョネチョしてるので基本的には無理です 数やるとかさばります

 

⑤接着力が・・・

着けた直後はついてる感じします(剥そうと思えば剥せるレベルです 両面テープと同じ)あと、私の感覚ですけど貼って時間置いておくと剥がれてくる(浮いてくる)モノが多かったように感じました。

 

上記理由からわたしが導きだした答えは

取り回しづらいわりにはかさばるしそこまで接着良くないな」でした

なので私の生産工程からホットメルトの出番は減りました

※目トビはたしかに両面テープよりはしづらいです 感覚的にです 

 

何かデメリットばかり書いてますけどこれはあくまでも製造背景(工程)・製造している製品に大分、左右されていると思います。単純にうちには合わなかったという事だと私は認識しています。

例えば2~3人で作業しており、ホットメルト塗ったらすぐ横で貼り込みしてすぐ縫製するみたいな流れの作業場なら活躍する機会が増えるのではと思います

要するに流れ作業(シングルタスク)に組み込める環境って感じですかね 

うちは色んな作業を同時進行してそれをまとめてまた同時進行してみたいなマルチタスクで作業を進める製造背景なのでマッチしなかったと思います マルチタスクで作業してると部材の取り回しのしやすさって重要なんです(個人的にですが)

 

ホットメルトはノリでも両面テープでもない接着道具だという認識が必要だと思います

個人的には使えない道具だなという印象はありません 「使い方」 だと思います

私の締めは大体が「使い方」だ「適材適所」とかですねw

何にでもメリット・デメリットあると思います 大事なのはそれを踏まえたうえで自分でどう使うか考えて実行することだと思います。

(情報は情報にすぎませんから経験に勝るものなし だと思います)

 

ただ、道具として気になったのは結構ハードに使ってるとホットメルトが色んなとこから漏れ出てくるところですね 本体がプラスチックなので強度が強いわけではないと思うのですが いかがなもんかなと 6万ぐらいしますからね

ちなみに値段ですが 本体 約6万 アタッチメント約2万 ノリ約3千 ぐらいだったと思います(気になる方はちゃんと調べた方がいいですよ)

 

設備投資、大事です 安い買い物はないと思ってます

 

私は、ゴムノリの糊付け機(前々回、記載したの)購入ました

絶対必要だろ、今までも大活躍だったし・・・

でも現在はあまり出番ありません

現在は一人なので基本シングルタスクで製造してます

何で両面接着のゴムノリより片面接着のサイビの方が効率良いんです 

手離れが良いんです かさばらないんです etc

 

糊付け機、活躍できるよう頑張ります

 

長文、乱文 最後までありがとうございました

皆様も良いモノづくりをされてください